VPS(仮想専用サーバー)をまだ触ったことがない方向けに、VPSの選び方を紹介します。 コスパで選んでしまっても大丈夫ですが、実際に運用してみて感じた注意点もお伝えしていきます。
気になるところへ読み飛ばす
Contents
VPSの始め方の流れ
VPSに契約する
VPSの始め方の流れから説明していきます。さくらのVPS(CentOS7)を例に解説していきますね。
VPSを利用するためにはVPSに契約する必要があります。 多くのVPSサービスは月額課金制となっており、スペックに応じて月額が決められています。
例えば、さくらVPSの1Gサービスのスペックは以下の通り。
- CPU 仮想2Core
- メモリ 1GB
- SSD 50GB
- 月額料金:880円/月(税込)
え、こんなスペック低いの?と思うかもしれませんが、Linuxなのでこれでもアプリケーションは十分稼働できます。
利用用途やかけられるコストで選べばOKです。サービス会社によって微妙にスペックが変わるので、 後半のVPSのランキング(コスパを比較)で比較ポイントを解説します。
VPSの初期設定をする
契約が完了したらサーバ設定をしていきます。
さくらVPSの場合は管理画面からコンソールにログインして、ブラウザからサーバを操作します。
管理画面
コンソール
なお、ここからは特に指示もなく自分で作業していくことになります。
さくらVPSでは初期設定ガイドが用意されているので、わからなくてもそれ通りに進めていけばOKです。
セキュリティ設定も何もされていない状態なので、サーバ作成直後に設定しておくべき初期セキュリティ設定も実施します。
自分のPCからVPSに接続する
初期設定が完了するとSSHの設定もできていると思います。
この段階で自分のPCから、Teraterm(Windowsのフリーソフト)、Terminal(Macの標準ソフト)などでVPSにアクセスできるようになりますよ。
Macの場合は「ssh -p (sshのポート番号) (ユーザ名)@(VPSのIPアドレス)」コマンドでアクセスできます。Macの場合
FFFTP(Windowsのフリーソフト)やTerminalのscpコマンドでソースコードを配置することもできます。
ここまでが流れとなります。やってみて難しかった設定や、その他の設定はVPSの選び方・設定でも解説しているので参考にしてくださいね。
VPSの選び方のポイント
VPSの選び方で確認すべきポイントは以下です。
- コスパ(費用とスペック)
- お試し期間
- サーバの信頼性
コスパ(費用とスペック)
VPSはスペックに応じて費用が変わります。サービスや機能は使い始めるとあまり気にならないので、コスパで選べばOKです。 どれぐらい必要かわからない方は『メモリ1GB』のプランを見ておくと良いです。
さくらVPSの価格表(512MB〜4GB)
最安値のプラン(メモリ512MB)でもある程度は動くのですが、運用しているとスペック不足の問題が発生して、急にアプリケーションが停止したりします。 できるだけ安定して運用させたいなら高めのスペックの方が手間は少ないでしょう。
月額の費用をできるだけ抑えたい方は最安値のプランでも運用できます。その場合、サーバのリソースは定期的に確認しておきましょう。
- 必要なスペックがわからないなら『1GBのプラン』
- 費用をできるだけ抑えたいなら『最安値(512MB)のプラン』
以下は最安値のプランで遭遇した問題の一例です。
- セキュリティソフトがメモリ不足で使えない
- Puppeteer(Node.jsのスクレイピングライブラリ)実行時のメモリ不足によりサーバ停止
- 数秒置きに価格データをファイル出力したところ、数ヶ月後にストレージの容量不足でサーバ停止
お試し期間
最初の初期構築に自信がない人は「お試し期間」があるVPSを選択してみましょう。
もし上手く構築できなくても解約できますし、ゆっくり調べながら構築できます。
- さくらのVPS:2週間
- ConoHa VPS:1ヶ月(1GBプランから。2020/11/30まで)
その他、Mixhost VPSは10日間の返金保証があるので、構築できなくても返金できますよ。
サーバの信頼性
VPSは信頼性も重要です。何か障害や人為的ミスが発生すると稼働させたいアプリケーションが停止してしまいます。
稼働率を保証しているサービスやサービスの実績のある会社を選んでおくと安心して運用できます。- ConoHa VPS:稼働率99.99%保証(SLA)、24万アカウント
- Mixhost VPS:稼働率99.99%保証(SLA)
- さくらのVPS:サービス実績10年
VPSのランキング(コスパを比較)
VPS比較表
VPSサービス | コスパ(価格とスペック) | 信頼性 | お試し期間 | メリット・デメリット |
---|---|---|---|---|
さくらのVPS | ◎最安 | ◯ | ◎2週間 |
|
Conoha VPS | ◯ | ◎稼働率99.99% | ◯1ヶ月2020/11/30まで |
|
Mixhost VPS | ◯ | ◎稼働率99.99% | ◯10日間の返金保証 |
|
- 少しでも安く使いたい、初心者向けがいい:さくらのVPS
- 信頼性を重視したい、構築しやすいサービスがいい:Conoha VPS
- 速いインターネット回線を使いたい、自力で構築できる:Mixhost VPS
【1位】さくらのVPS
- スペックごとの価格が他のVPSサービスと比較して最安
- 無料お試し期間が2週間ある
- 年間契約すると1ヶ月分無料
項目 | 内容 | 順位 | |
---|---|---|---|
1GBプラン | 512MBプラン | ||
月額費用(税込) |
|
| 1位/3位中 |
スペック(CPU) | 2Core | 1Core | – |
スペック(メモリ) | 1GB | 512MB | – |
スペック(SSD) | 50GB | 25GB | 2位/3位中 |
お試し期間 | あり(2週間) | 1位/3位中 | |
総合評価 | ★★★★★ |
最安値のプランが一番安く、初心者向け設定ページが用意されており、VPSが初めてでも構築しやすいVPSサービスです。
リージョンは東京、石狩、大阪から選択できますが、速度を求めていなければ、最安の石狩で問題ないです。デメリットとして、最低利用期間が3ヶ月からなので、お試し期間中に継続するか見極めましょう。
- 最低利用期間:3ヶ月
- データ転送量制限:なし
- インターネット回線:100Mpbs(共有)
- 利用できるOS:8種類(CentOS、Ubuntu、KUSANAGI、Scientific Linux、FreeBSD、Debian、Fedora、openSUSE Leap)
【2位】ConoHa VPS
- テンプレートを使うと開発環境を自動構築できる
- 長期割引プランあり(VPS割引きっぷ)
- 稼働率99.99%保証、24万アカウントの実績あり
項目 | 内容 | 順位 | |
---|---|---|---|
1GBプラン | 512MBプラン | ||
月額費用(税込) |
|
| 2位/3位中 | スペック(CPU) | 2Core | 1Core | – | スペック(メモリ) | 1GB | 512MB | – | スペック(SSD) | 100GB | 30GB | 1位/3位中 | お試し期間 | 1GBから1ヶ月間無料。2020/11/30まで。 | 2位/3位中 | 総合評価 | ★★★★ |
価格に関しては「さくらのVPS」よりやや高いですが、2020年11月時点で24万アカウントの実績があること、簡単に始められる操作性が特徴です。
LAMP、Node.js、Redmineなどの構築も可能です。構築に時間をかけたくなかったり、2台目利用など構築の負担を減らしたい人に適しています。
- 最低利用期間:なし
- データ転送量制限:なし
- インターネット回線:100Mpbs(共有)
- 利用できるOS:9種類(CentOS、Ubuntu、Debian、FreeBSD、Fedora、openSUSE、Arch Linux、NetBSD、OpenBSD)
【3位】Mixhost(ミックスホスト)VPS
- 高速ネットワーク(1Gbps)、稼働率99.99%保証
- 最安値プランは1GBプランから。
- 10日間の返金保証あり
項目 | 内容 | 順位 |
---|---|---|
1GBプラン | ||
月額費用(税込) | 月額907円(1年契約) | 3位/3位中 | スペック(CPU) | 2Core | – | スペック(メモリ) | 1GB | – | スペック(SSD) | 50GB | 2位/3位中 | お試し期間 | 10日間の返金保証 | 3位/3位中 | 総合評価 | ★★★ |
Mixhostはインターネット接続が1Gbpsと高速なのが特徴です。
デメリットとして、データ転送量の制限があること、サイトやサービスが簡素で「さくらのVPS」「ConoHa VPS」より初心者にはややわかりづらいところがあります。
- 最低利用期間:なし
- データ転送量制限:あり(1GBプランで1TB/月)
- 上位プランへの変更:可能
- 利用できるOS:種類(CentOS、Ubuntu、Debian)
VPSの比較ランキングまとめ
VPSサービスの選び方とコスパでの比較をしました。
アプリケーション運用は一番力がつくし、何より楽しいので、ぜひ始めてみてくださいね。